症状改善・職場復帰援助プログラム(リワークプログラム)
当院では、休職中の方を対象にした、職場復帰援助プログラム(リワークプログラム)を行っております。
プログラムの目的
① 生活リズムの改善
② 復職に必要な作業能力の改善
③ 円滑な対人交流の習得
④ 精神状態の改善
⑤ 再発予防を学ぶ
※回復を判断するために、定期的に各種心理検査や参加状況の確認などを行っていきます。
実施期間
体調や休職期限等により、実施期間は異なります。体調には波があることが多いため、早急に改善しても、ある程度の参加期間は必要です。
プログラムの内容
午前 9時~12時 |
午後 13時~16時 |
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月 | オフィス | オフィス |
火 | マインドフルネス オフィス |
認知行動瞑想トレーニング オフィス |
水 | アサーション オフィス |
アサーションフォロー オフィス |
木 | オフィス | |
金 | ACT オフィス |
ACTフォロー オフィス |
マインドフルネス:ヨガ・瞑想
ACT:認知行動療法(アクセブタンス&コミットメントセラピー)
アサーション:自己主張訓練
アサーションフォロー:コミュニケーションエクササイズ・自己理解トレーニング
オフィス:オフィスワーク(自習)
神経系ワーク
自律神経には、心身を活発にする交感神経と、心身を休め回復させる副交感神経があり、この2つがバランスよく働くことで健康を維持しています。このバランスが崩れると身体に様々な症状が出現します。
当プログラムでは、自律神経のバランスの乱れを意識して整えます。副交感神経には、背側迷走神経と腹側迷走神経があり、この2つの調整を行い、自分の中の安心の土台を育てていきます。また、自律神経と感情の動きの仕組みを理解し、コントロールします。
自己理解トレーニング
エクササイズを通して、自分の価値観、考え方、態度、行動などを振り返り、自己理解を深めていきます。また、自分の対人関係の特性や行動パターンも見つけていきます。
健康や栄養についての知識を学びながら、正しい生活習慣を身につけていきます。
ACT/ACTフォロー
アクセプタンス&コミットメントセラピー(ACT)は、不安や怖れ、苦悩などの感情や思考をあるがままに受け容れ、自分の価値に向かって主体的に行動する力を養います。
マインドフルネス
マインドフルネスのワークでは、「今この瞬間」の自分の体験に注意を向けて、現実をあるがままに受け容れる練習をします。「あるがまま」とは、不安がない状態ではなく、現実の不安を心に留めておける状態のことです。それによって、本来の自分が見えてきます。
アサーション(自己主張訓練)/アサーションフォロー
自分のコミュニケーションパターンを把握し、相手を尊重しながらも、自分の気持ちや考えを大切にし、その場に適した形で表現していく方法を学びます。また、個別の苦手なコミュニケーション場面を振り返り、ロールプレイを行います。
フォローアップでは、「言葉の表現」だけではなく、表情・仕草などの「非言語的表現」を活用するコミュニケーションエクササイズを行います。
オフィス
生活リズムの安定、持続力・集中力の改善を目標にした個別プログラムです。
原則として毎日参加し、集団療法と同室にて、個別作業を行います。
ワーク内容は、読書、パソコン作業、ペーパークラフトなど、個人の状態に合わせて組み立てます。
参加要項
参加費用
<保険診療内>
- ショートケア(半日)
自己負担1割:370円 3割:1,110円 - ディケア(一日)
自己負担1割:710円 3割:2,140円 - 医療費の公費負担制度(自立支援医療)については、窓口でご相談ください。
プログラムの選択について
プログラムへの参加については、スタッフとの面談にて決めていきます。
持参するもの
- 筆記用具
- 飲み物
- オフィスワーク:自習する道具(本、パソコンなど)
- 自律神経調整・マインドフルネス:運動できる服装、タオル
参加ルールとお願い
- 参加者に関する個人情報の口外、個人的な録音や録画は禁止します。
- プログラム中は、携帯電話の電源を切るか、サイレントモードに設定し、専用ロッカーに預けてください。
- 当院デイケアは、治療に専念するための場です。院内では、私的な交際や金銭・物品のやりとりなどを禁止します。
- 復帰・就職目的の方は、プログラムの全参加を原則とします。勤務時と同じ姿勢で参加してください。私的な理由での欠席は、利用を中止する場合があります。
- スタッフの指示を守れない場合や、怒りなどの大きな感情が制御できない場合は、参加をお断りすることがあります。
その他
プログラム中に、対人交流が刺激となり、一時的に怒りや攻撃心などの感情が高ぶることがあるかもしれません。
当院では、ストレス状況をどのように理性的に克服するかということも、重要な治療目標としています。
社会生活上では、正論でことが進まないことは日常茶飯事であり、矛盾に対して、ある程度寛容であることも、復職においては大切なポイントとなります。
相手への怒りや憎しみなどのネガティブな感情を、相手を責めるのではなく、自分自身のライフパターンとして受け止め、解決する手立てを模索してください。